信夫山の概要

信夫山は、福島盆地の中央に位置する緑の里山で、太古の昔からふるさとの象徴として人々に愛されてきた。東西2.7km、周囲約7kmの四季折々の美しい山である。

中央に羽黒山(標高260m)、西に羽山(標高275m)、東に熊野山(標高268m)、さらにその北に立石山(標高220m)、といくつもの峰から成り立っており、昔から山岳信仰の山として知られ、それぞれの山頂には信仰の対象である神仏が祀られている。

(西部上空からみる信夫山)

地域のひとびとの暮らしに深くかかわり、多くの歴史と伝説に彩られた信夫山は、同時に街の中の森林空間として、豊かな自然環境と美しい四季の変化を見せてくれる。また、訪れるひとのそれぞれの目的によって、さまざまな表情を見せ、動植物の宝庫としても貴重な学習空間となっている。

いま、全国的に観光による地域興しが云われているが、平安の昔からかずかずの歌に詠まれ、皇后・皇太子伝説まで秘める、街なかの里山は全国でも稀な宝の山といわなければならない。

きみ恋うる 涙しぐれと 降りぬれば 信夫の山も 色づきにけり千載和歌集 成仲信夫山 しのびて通う 道もがな 人の心の 奥もみるべく伊勢物語 在原業平いかにせむ 信夫の山を 越えかねて 帰る路には また惑いける滋円


●信夫山をのぞむ

孤立丘だから東西南北でまったく表情がかわる。ぐるりと一回りしてみよう。

南部から(弁天山から見る)
北部から 南部から
東部から 西部から